ルーター彫刻とレーザー彫刻の違い
ルーター彫刻……物理的な刃物で彫刻
レーザー彫刻……レーザー光線による熱で彫刻
どちらもコンピュータ制御で動きますので、一度データを機械に送ってしまえば、後は見守るだけです。一見するとどちらも彫刻するだけですから対して違いはありません。
しかし実際には大きな違いがあります。
ルーター彫刻
メリット
- 刃物を変える事により、切削断面を変える事ができる。
- 径の違う刃物を使う事により、大きな彫刻(加工)にも対応できる。
- 加工の仕方により、かまぼこ彫りなどの特殊な加工ができる。
- 3D彫りに対応。
- 上記のメリットを組み合わせ、凝った意匠を創り出す事が出来る。
- プログラムで彫りの深さを決めれば正確に彫ってくれる。
デメリット
- 物理的な刃物なので、加工中に折れる事もある。
- 小さい文字は苦手。
- 刃物の付け替えに手間がかかる。
- 両面テープを付けたまま加工すると、糊で刃物がベタベタになる。※事実上加工不可。
- 径の小さな刃物は折れやすい。
- 内角がRになる。
- 刃物の向きは決まってしまうので、加工方向に気を付ける必要がある。
レーザー加工
メリット
- レーザー光線で彫刻するので、細かな文字制作が可能。
- 熱で溶かしているので、アクリルをカットした時の断面がきれい。
- 操作が簡単なので、気軽に使える。
- レーザー光線を出すだけで切れるので、セットアップが早い。
- 両面テープを付けたまま加工が出来る。
- 物理的な刃物はないため、折れる心配はない。
デメリット
- 熱で溶かしているので、ストレート落ししか出来ない。
- 長時間稼働させると、作業エリアの中が熱で温度が上がり、加工の精度にムラが出る。
- 木材などの素材は燃えてしまう危険性がある。コゲる。
- 光線の熱で彫っているため、材質によっては彫刻面がデコボコになる。
- 光線を発射しているので、反射する物は加工できない。※鏡、ステンレスなど
- 燃えて問題のある物は切れない。※塩化ビニール、ABS樹脂など ガスが発生
- 厚板に強力な出力のレーザーを当てると、燃える可能性がある。
- レーザーの出力で彫りの深さを決めているので深さにムラがある。
いかがでしょうか。
同じ彫刻機と言っても出来る事にはメリット・デメリットが存在します。
それぞれの特徴を生かし、組み合わせて使えばもっと面白い物も創れるかもしれませんね。